2013年11月30日土曜日

サファイアの空

ここ数日、目覚めのホットドリンクを入れて、
サギタの浜で朝日を見るのが日課になっています。
ロープで少し降りると、広く海が見えるんだ。
座るにちょうどいいアスファルトに腰かけて、
暖かい飲み物を飲みながら、
朝日とそれに照らされる海を見ている。
朝日を浴びると、脳細胞が活性化されるらしいんだけど、
本当に、朝日って気持ちいいね。

海面に光の道ができて、真っ直ぐと自分に向かってるんだ。
キラキラと輝く海、メラメラと動いている太陽。
鳥の声、波の音、清らかな空気、
その中に一人でいると、なんていうか、
自分が、一つの風景になった気分で、
とても楽な気持ちになれるんだよね。

空の色が淡くきれいなブルーとホワイトのグラデーションになってる。
ブルー、ホワイト、ブルーの層になっていてきれいだった。
それを見ていたら、バイカラーのサファイアのルースを思い出したんだ。
スクエアーカットのルースで、透明度が高く、
ブルー、透明、ブルーの三層のグラデーションカラーで、
とっても美しい宝石だった。

宝石の値段のつけ方って、基本自由なんだよ。
どんなルートで此処にあるかで、その値段は驚くほど上下するの。
でも、そんな非常識の中にも、一般的、常識的な価格基準っていうのがある。
色、透明度、照り、インクルージョンの有無、が評価のベースになる。
だいたいは、これで価格が決まってくるんだけど、
それプラス、漂ってくるオーラを感じ取ったところの価値を載せていくんだ。
なので、
「一般的には○○円だけど、この宝石は唯一無二で、こんな個性美は見たことない」
との評価から、常識からずれている値段を付けたとしても、
その魅力を伝える根拠を持っていれば、それも有という事なんだ。
要は、持ち主がいくらで手放すかなんだよ。
宝石の世界はそういう意味でも面白い世界なんだ。

色について少し話すね。
コランダムの場合、赤が最も評価が高くて、次にブルーなんだよ。
あっ、サファイアもルビーも同じコランダムっている好物なのね。
で、赤色の中でもビジョンブラッドという色が最も価値があって、
ほんの僅かに青みを感じるくらい、匂いくらいの青みなの。
その青みの匂いがするのがルビーの赤なんだよ。
それでいて、深みのある透き通る赤色が、もっとも素晴らしいルビーと呼ばれる宝石なんだ。
複雑な赤色なんだよ、ハトの血って意味。

その美しさは、太陽の光をも赤に変えてしまう位の赤色で、
心臓で直接感じるんだよ。
だから、ルビーは情熱の石、エナジーを呼び覚ます石、
活力を与える意思と言われるんだと思う。
地球スケールでの時間をかけて出来たルビーは、
小さな粒の中にギューーーーっと、濃縮された時間を持つので、
ルーペで石の中を見ると、石の中に入った気になれるほど、
とても雄大な世界を持っているんだ。
それが、太陽に照らされると、零れ落ちてきたような赤色の光を見せてくれるんだよ。

次に評価が高いのがブルーサファイア。
コーンフラワーカラーと言って、こちらは、ほんの少し赤みを帯びている青なの。
本当に本当に少し、赤の香りがする程度で、矢車草の花弁の色に例えられているんだ。
美しいブルーのサファイアを見ると、前頭葉がスーーーっと開いていく感じで、
さわやかな気持ちにある。とってもクールな石なんだ。
ブルーサファイアは人類史の中で、聖職者が好んで持つ石であったことが知られていて、
モーゼの十戒もサファイア OR ラピスラズリの板に刻まれていた、、と言われているんだ。
。。。でも、これは、多分サファイアじゃないと思う、昔はラピスのことをサファイアと言ってたみたいだし。サファイアって高度9でダイアモンドを除いて、宝石の中で最も固い石なんだよ。
これに文字は掘らないと、個人的にですが思います。
それはさておき、聖職者が好むのはよくわかる。(うんうん)
頭が冴える石だからね。

私も若い時、自分の扱いに苦難していた時があって、何年も続いていたんだけど、
その間は、なぜかサファイアが好きだったな。。
石に自己の調和を保つ作用があるとするならば、
出過ぎている物を引っ込めて、育てたい自分を助けてくれるような選び方いいね。
それをどうやって見極めるかという事なんだけどね、
それは、感じた石がそれなんだよ。

ところがところが、現実はなかなかそれが難しいみたい。
要は、知識を持って選ぼうとする人が多いの。
だから、処理石が出回るわけ。
「赤色が良い石ですよー」とか、
「インクルージョンが入っているから、これはよくないですよ」
みたいな。。
前知識をしては、有りなんだけど、感じた石を選ぶって方法で選ぶと、
それが自然と(出過ぎている物を引っ込めて、育てたい自分を助けてくれる)
石だったりするんだよ。
意味は後付なの。

そんな宝石的世界があるんだけど、
私が今日の空から思い出したサファイアはね、透明度の高い石で、
とっても清らかな空気を醸し出していたんだ。
中央にブルーの色がついていない事を(色落ちしている。。中抜けしている。。)
とか言うんだけど、この表現っていうのは、色があることが高評価となる大前提の下で生まれた言葉なんだよね。
バイカラーというのは、正式には、一つにルースの中に異色が存在している石のことで、
このサファイアはバイカラーとは言わない。
でも、とってもきれいなサファイアなんだ。
このサファイアはそれこそ唯一無二のサファイアで、そういう意味ではすごく価値があると思うの。
でもね、宝石の世界では、中抜けしているので価格が下がるんだよ。
両サイドのようなブルーで埋められている方が評価も価格も上がるの。
だから、宝石商は、2000度前後で加熱処理をして、きれいな青や赤に変えちゃうんだよ。
だから、宝石店に同じ顔の石が並ぶわけ。
加熱の仕方は企業秘密なんだって、これを発見した逸話もあって、それがとっても面白いのよ。
火事が幸いして、発見した手法なの。

加熱処理すると、紫のサファイアが赤のルビーになったりするんだけど、
中の粒子も均一になっちゃうから、鑑別すると分かるのよね。
非加熱の石は、粒子が不均一なの。

熱を加えることは、地球が長い時間をかけて育んだ石の内包している時間に手を加える作業だから、その結果は輝きにも反映されるのよね。
加熱石は、のっぺりとしていて、表情がない。
なんか、人間の世界にも通じるものがあると思わない?
自然の中で地球によって、宇宙によって育まれた石は、
そこから浮きでる輝きを持っていて、それは、唯一無二のオーラなんだ。

サファイアは、アルミニウムが酸化して出来たもの。
宇宙に存在する元素が、大気を持つ地球によって形造られたものがコランダムという鉱物で、
赤をルビー、それ以外がサファイアという宝石になるんだ。
素敵な世界だよ。

サファイアは、他にもイエロー、ピンクサファイアが有名。
更に更に希少価値の高いサファイアがある。
それがパパラチアサファイア。
これは、別格なんだよね。ピンクとオレンジが絶妙にミックスされた色で、
何ともやさしく、華やかで、それでいて落ち着きのある色なんだ。
とても品のある色のサファイアなんだよ。

パパラチアという名は蓮の花に由来しているんだけど、
宗教的な意味と存在認識があって、それは、その地に住む人たちの
崇高な精神性を司るものなんだ。
パパラチアはルビーなんかよりも、もっと希少性が高くて、
その名を名乗ることのできる石はとても少なかったの。
でも今の宝石協会では、加熱処理までなら、パパラチアと名乗っていいことになっている。
これについては、賛否あるんだよ。
私個人的には、加熱したらパパラチアじゃないと思うけどね。
パパラチアは色も然ることながら、その神秘性に価値があるものだから。

久しぶりに宝石の話をした。
販売に関わっているときは、メールでお客様とこんな話をよくした。
この石は、こういう個性がありますよ。。って言う説明をするんだけど、
なんか、とても面白かったな。
石が語ってくるようで。。。

宝石も植物も人間も、その本質はあまり変わらないと思っているんだ。
夫々にその環境の中だからこそ育まれた命があって、
それは唯一無二のもの。宿るべくして宿っている。
一見、「同じ」物を扱う方が楽だし、分かりやすいけど、
同じ顔にしたら、表情が消えちゃうんだよ。
だから、他人の持っている物を多く欲しがらないで、
自分に合ったものを知ることが大事なんだよね。
どの世界にも繋がる事なんじゃないかな。

私も、未だに自分を探し続けているよ。
日々、出会う自分に驚いたり、落胆したりしてね。










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